うーん。軸のぶれまくった話を強引にまとめてきたな。
動乱篇の鴨にも云えることだけど、あとからでてきたキャラに、短いあいだに主人公あるいは準レギュラー陣と同格の背景をあたえ、かつ、その重みでもって読み手側に共感呼び起こすことは並大抵の技ではできないのだ。
鴨のときは自身のなかでの回想で自己完結しちゃってたし、吉原篇の鳳仙と日輪はまだしも手前で語り手前で気づいていたけど、地雷亜の過去を全蔵に語らせて、それをまったく知らずにいた月詠があっさり受け入れてしまう、というのは、その是非はともかくうまいやりかたではないと思う。
月詠にさえまだ深く携われていない読者がその師の地雷亜のどれほど哀しい過去を聞かされたところで、ああそうですか、で終わってしまうと思うのよ。
この話の糸口に、登場して日の浅い月詠をもってきたことにやはり無理があったかな、と。
だからこの話は、子銀と松陽先生の出会いという過去エピソードひとつにすべて食われて終わったなという印象。
シリアス長篇は足場固めをちゃんとしてから始動しないと物語として瓦解するという見本のような感じになっちゃったなー。
せりふ回しのうまさとかギャグの匙加減とか、上っ面でない人の情の機微を描くのに長けたかただけど、どうもシリアス長篇の構成が(紅桜以外)みな似てきてる感も拭えない。まあ、それはそれでうまく描いてくれればぜんぜんかまわないんだけど。なにが哀しいって、このお話、銀にとってはなんの救いにもなってないってことだよね。いままでの流れがあって、逃げずに古傷を再認識することはちゃんとできてるのに、そのつぎにつながるリハビリに役立ってないというか。
銀魂は若者の成長話ではなく挫折を知った人間の再生話だから、このお話の存在意義は銀さんの過去がかいま見られた、その一点だけになってしまったような。
導入部分とおなじギャグで締めたのはお話の体裁としては常套手段なのでともかくとして、このあとほんとに珍道中につづいて月詠のこころの傷のフォロー回がギャグ味付けで入るのかな。要らんだろう、そんなの。ここで切っちゃたほうがいい気がするなぁ。
だってどうみても、月詠には銀さんの手は必要ないじゃん。月詠を癒すのだとしたらそれは、日輪や晴太や百華たちであって銀さんではない。
逆に銀さんには、月詠では救いにならない。彼の背負うべき師はもうこの世に存在しないのだから、それならむしろ全蔵といたほうがリハビリできると思うよ。
銀さんがあそこまでキレて憤った理由というか経緯を、読者は知らされてるけど、月詠もだれも登場人物たちは知らないわけで。知ってるとしたらそれは、この場にいない桂と高杉だけなわけで。
珍道中するなら、むしろフォローが必要なのは銀のほうだろうよ(笑)
妄想感想としては、このあとの銀は、桂に黙って抱きしめられるほかないな。
俺もだ、と呟く銀を癒せるとしたら、それだけだろうからさ。
桂だけが師をちゃんと背負いつづけてる弟子だから。
自分のぶんまでそれを体現してくれてることを銀は知っていると思うから。
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うーん。軸のぶれまくった話を強引にまとめてきたな。
動乱篇の鴨にも云えることだけど、あとからでてきたキャラに、短いあいだに主人公あるいは準レギュラー陣と同格の背景をあたえ、かつ、その重みでもって読み手側に共感呼び起こすことは並大抵の技ではできないのだ。
鴨のときは自身のなかでの回想で自己完結しちゃってたし、吉原篇の鳳仙と日輪はまだしも手前で語り手前で気づいていたけど、地雷亜の過去を全蔵に語らせて、それをまったく知らずにいた月詠があっさり受け入れてしまう、というのは、その是非はともかくうまいやりかたではないと思う。
月詠にさえまだ深く携われていない読者がその師の地雷亜のどれほど哀しい過去を聞かされたところで、ああそうですか、で終わってしまうと思うのよ。
この話の糸口に、登場して日の浅い月詠をもってきたことにやはり無理があったかな、と。
だからこの話は、子銀と松陽先生の出会いという過去エピソードひとつにすべて食われて終わったなという印象。
シリアス長篇は足場固めをちゃんとしてから始動しないと物語として瓦解するという見本のような感じになっちゃったなー。
せりふ回しのうまさとかギャグの匙加減とか、上っ面でない人の情の機微を描くのに長けたかただけど、どうもシリアス長篇の構成が(紅桜以外)みな似てきてる感も拭えない。まあ、それはそれでうまく描いてくれればぜんぜんかまわないんだけど。なにが哀しいって、このお話、銀にとってはなんの救いにもなってないってことだよね。いままでの流れがあって、逃げずに古傷を再認識することはちゃんとできてるのに、そのつぎにつながるリハビリに役立ってないというか。
銀魂は若者の成長話ではなく挫折を知った人間の再生話だから、このお話の存在意義は銀さんの過去がかいま見られた、その一点だけになってしまったような。
導入部分とおなじギャグで締めたのはお話の体裁としては常套手段なのでともかくとして、このあとほんとに珍道中につづいて月詠のこころの傷のフォロー回がギャグ味付けで入るのかな。要らんだろう、そんなの。ここで切っちゃたほうがいい気がするなぁ。
だってどうみても、月詠には銀さんの手は必要ないじゃん。月詠を癒すのだとしたらそれは、日輪や晴太や百華たちであって銀さんではない。
逆に銀さんには、月詠では救いにならない。彼の背負うべき師はもうこの世に存在しないのだから、それならむしろ全蔵といたほうがリハビリできると思うよ。
銀さんがあそこまでキレて憤った理由というか経緯を、読者は知らされてるけど、月詠もだれも登場人物たちは知らないわけで。知ってるとしたらそれは、この場にいない桂と高杉だけなわけで。
珍道中するなら、むしろフォローが必要なのは銀のほうだろうよ(笑)
妄想感想としては、このあとの銀は、桂に黙って抱きしめられるほかないな。
俺もだ、と呟く銀を癒せるとしたら、それだけだろうからさ。
桂だけが師をちゃんと背負いつづけてる弟子だから。
自分のぶんまでそれを体現してくれてることを銀は知っていると思うから。
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