離れ家

冒頭ピンナップ。
春祭りで予告で流れた劇場版冒頭三分の内容だ。
松陽先生のことばは劇場版冒頭でもあそこで切れるのだ。



本篇。
シリーズ当初に期待した方向へ話は振れたけども。
期待したひとは出てこない…。

ぶっちゃけ、ここらで桂の攘夷志士としての立ち位置をきちんと描くことも必要だと思うのよ。でないと体制側としての春雨をひっくり返せないと思うの。


銀さんのそもそもの動機は個人的な遺恨だし、次郎長のそれは銀ちゃんとおなじで、てめぇの足もと、手の届く範囲を護ることだけ。銀さんの「半径何センチ」かを「かぶき町」に見出してるだけ。
それが戦争を経た彼らのこたえなわけで、そういう生き方はあっていいと思うし、なきゃいけないとも思うけど、それだけでは体制は覆らない。銀ちゃんの生き方に共鳴してかぶき町で根を張って生きるひとたちが立ち上がったように、そうした存在に共感して（侍だけでなく）民衆が蜂起してくれればいいけど、この舞台のモデルが幕末日本である以上それは望めそうにないし。
となれば、やはり庶民的な底辺だけではなく、政治的に体制のてっぺんを揺さぶれる存在は必須のはず。
彼らの主眼は（目先を）護ることにあって、護るために真のちからをつけて（長期的に見て）良い方向に変わる、という発想ではないから。（発想があったとしても自分にはそれはできないと自身を見切っているから。）
現状、それができるのは桂しかいない。（＋私的な願望としては高杉にも（敵内部から崩壊させる意味で）そうであってほしいが）


これだけ大騒ぎを起こしておいてお江戸の治安を預かるはずの真選組がまったく関与してこないのは、華陀の背後に春雨がいたことでとりあえずの説明は付くけど。（補足：春雨は海賊だけど現体制側の裏面と通じているという解釈で）
逆にこれがかぶき町の単なる勢力争い覇権争いではなくそこに春雨が絡んでいるなら、攘夷派が関与してこないのはおかしいよ。
物語をシンプルにするために出さないでいるのだとしても。

このままあまりにも桂だけがシリアス設定から乖離してしまうと、合流させにくくなる気がするんだ。ねこ篇や六角屋を見るかぎりちゃんとあたまも切れるし情報活動もしてるようだから、作者のなかではその設定が生きてるんだと思うけど、それが一般読者に伝わってるかは別の話なわけで。

だからせめて、表立ってではなく裏でうごいていて欲しいと思うんである。そしてそこをちらりとでもいいから描いて欲しい。これが銀魂のつぎのステージへのステップで、結末に繋がるお話になるのなら、なおのこと。
うん。次週以降の展開に期待しておく…。