連作「天涯の遊子」の番外、坂桂篇。其の三。終話。
坂本と桂。と、坂本 in エリザベス。
ヅラ誕 2008、in エリー番外三部作予定の序。
微エロあり、注意。R18で。
急ぎ居を変えた隠れ家では夜具も調っておらず、今朝までのふかふかふとんというわけにはいかない。これはエリザベス代わりのわしの仕事やき、と坂本が、わずかばかり湿り気を感じさせる床(とこ)をていねいに延べた。
「けんど、ここまでちや」
云うなり坂本は、夜着一枚の桂を掬うように抱いて床に転がる。拍子にはだけたおのれの浴衣を、片手で脱ぎ捨てた。桂も夜着の帯を自ら解く。ひんやりとしたなめらかな素肌は、湿ったふとんを忘れさせるくらいに心地よかった。
「は……あ。ああ…」
桂の甘い吐息と微かな喘ぎが、坂本の耳を打つ。口許から首筋を辿り、鎖骨のくぼみを越えて、薄くしなやかな筋肉の乗った胸を、坂本の口唇と掌とが這い回る。小さな茱萸のような突起を甘噛みしては、舐り、吸いあげる。ふたつの実は瞬く間に紅く熟した。しっとり汗ばみはじめた雪肌は蕩けて、さながら花霞のように真白でも間近には桜に染まっている。湧き上がる情欲に耐えるかのように、桂が身を捩る。耐える必要など微塵もないのだと、わからせるために坂本は愛撫の手をやすめない。
口に押し当てられた桂の手の甲を空いているほうの手でやさしく包み込み、外させるように持ちあげたわずかな隙間から、口腔に手指を滑り込ませた。
「んん、あっ」
漏れでた息が鼻に抜け、塞ぐことを阻まれた口唇から声が上がった。さらに深く指を潜り込ませると、桂の舌が坂本の指先に触れ、指の腹にざらりとした触感を覚える。そのまま絡みつくように滑る舌先が手指を愛おしむ。
坂本の口の端に浮かんでいたやわらかな笑みが、わずかばかり変容した。おのれが余裕を失くしていくのがわかる。しゃぶらせるままにしておいて、坂本の口唇は桂の腹部の筋を辿って丸いくぼみをひと舐めし、もう片方の掌は背の貝殻骨を撫でて仙骨あたりまでを一気に下った。別々の径を辿った唇と掌が、合わさり、そのまま淡い翳りへと分け入る。刹那、桂が息を呑み、反射的に坂本の指を咬んだ。
口腔を浸していた手指をつかんで引き出し、桂は、噛み痕を癒すように舐める。血が滲むわけでもないようだったから、咄嗟の加減はできたのだろう。
「たつま」
うっとりと名を呼んで、坂本の濡れた指先を手放す。翳りに顔を埋めて、桂の兆しを煽ることに専心していた坂本は、放たれた手指を桂のうしろへと回して、翳りの奥の窄みを暴いた。
「いあっ」
数を増やしながら蹂躙していく坂本の手練手管に、桂の細い声が上がった。指先から指の付け根までを巧みに使って、丹念に押し開く。徐々に上がっていく桂の息が切羽詰まったようなせつなげな色を帯び、細くしなやかな長い指が坂本の癖毛に潜り込んで引き剥がそうともがいた。桂の昂ぶりを捕らえたまま放さなかった口唇がようやっと離れると、うっすらと眦に涙の滲んだ眸で、桂が坂本を睨めた。
つかんだ髪をきつく引っ張られ、そのうごきにつられるように躙り上がった坂本は、濡れた口唇で桂のそれを塞ぐ。塞ぎながら奥を穿っていた指で深く突いた。くぐもった声が隙間なく合わされた口唇から漏れる。桂の腰が揺らめいて、その先を強請(ねだ)った。銀糸を引いて離した口唇がまだ触れるかの距離のまま、坂本が桂の名を囁く。囁きは坂本の名に変わり鸚鵡返しに返された。引き抜いた手でそのまま桂の引き締まった腿を抱えて左右に割り開く。その狭間におのれの腰を押し込んで、坂本は桂の腰を擡げるようにして、ゆっくりと身を沈めた。
苦悶とも悦楽ともつかぬ声が桂の咽を押し上がるように漏れ出る。坂本はゆるゆると、だが着実に、最深部を目差して身を進める。先端が辿り着いたのを感じて、ようやく動きを止めた。桂が息を吐く。きつく閉ざされた瞼が少しだけゆるみ、寄せられていた眉根がわずかばかりなだらかさを取り戻す。呼気だけがまだせつなく苦しげで、坂本はそれが落ち着くのを待った。そのあいだにも根元まで締め上げてくる内壁の蠕動に、歯を食いしばって耐えるのもまた、桂を抱く醍醐味だ。
もっと桂を煽って、桂に煽られて、より深くつながり、より高処(たかみ)へとともに駆けあがりたい。閨での、常の坂本のよゆうっぷりも吹き飛ばしてしまえるくらいに、ときに桂は奔放になれる。それをどこまで引き出せるかは、抱く側の腕にかかっているのだ。
気息がやや落ち着き、桂のからだから無駄なちからが抜けたところ見計らって、坂本はうごきを再開した。
はあ、ぁん、あっ。あ、あ、あ。坂本の刻む律動に副うように、桂が啼く。やぁ。あ、たつま。たつま。たつま。譫言のように紡ぎだされるおのれの名。頑是ない子どもがするように首を振り、つったように反り返る足指が坂本の胴に絡みつく。剣を振るうには華奢に過ぎる腕は、だがしなやかに強靱なちからで茶色がかった黒い癖髪と張りつめた首筋とを掻き抱いた。細く長い桂の手指が爪を立てる。その痛みはやがて、無上の悦びをもたらすことを坂本は知っていた。
い。あ。ぃい。あ。たつ、ま。ぁあ。んぁ。いっそう深く浅く、つよくよわく、直進し拗り込み退いては掻き回す。意のままに桂を操る坂本のうごきは、たがいを忘我に追い込んでいく。女好きの女遊びを自負する坂本が、唯一自らを手放すほどの快楽を得られる瞬間が近づいてくる。桂だからだ。桂を愛おしいとおもうこころが、そうさせるのだということを、気づけぬほど坂本は愚かではなかった。だから手放せない。独り占めなどできずともかまわない。桂が坂本を希むかぎり、おのれはこの腕を差し出しつづけるだろう。
短い断続的な悲鳴が迸り、桂の背が激しく震えて撓った。引き摺られるように低く呻いた坂本は、幾度か腰を震わせ、やがて桂のうえに覆い被さるように脱力した。
「…ん…重い」
余韻の抜けた微かな抗議の声に、気づいて坂本はからだをずらした。桂のなかからおのが身を退いて傍らに寝ころび、たったいま離れたばかりのからだをまた、腕(かいな)に抱き寄せる。桂はされるがまま、その腕枕にあたまをあずける。投げ出された片腕が、ふとんと畳の境目を彷徨った。
近くにたたまれてあったエリぐるみに手を伸ばす。指の先がかろうじて引っ掛かり、それを頼りに引き寄せた。
「なんなが、こたろ?」
「…良くできたカワだな」
エリぐるみの端をつかんで、桂が頬擦りする。
「ほりゃあほりゃあ、気張ってこしらえたのやき」
「この七日間のためだけにか?」
ちらり、婀娜っぽい目線で睨めて、悪戯な笑みを浮かべた桂に、あっはっはーっ、と坂本は、とってつけたような笑いで誤魔化す。桂はそれ以上は追求せず、訪れた睡魔に重たくなった瞼を閉ざした。あるいは誤魔化されたふりをしてくれたのかもしれないが。
エリザベスが絡むと、というのか、白くてふわふわのものが絡むと、とたんに甘くなるのは桂の特性のようなものなのか。と、桂の幼げな寝顔と穏やかな寝息を間近にしながら、坂本はぼんやりと思う。だが、それよりさきに思考が進むまえに、やや遅れてやってきた睡魔に、その身を明け渡した。
目覚めてもまだ小太郎の誕生日やか。なにをして祝ってやろうかぇ。あとはただ、桂の歓ぶ顔が見たい。いま願うのはただそれだけだ。
明かせぬままのあとひとつの目的に、気づいてか気づかぬままにか、誤魔化されてくれた桂に。きっと最上のひとときを捧げよう。
* * *
おのれの失態がなければ、最終テストはほぼ成功しよったとゆうてかまんろう。
快援隊特製、エリぐるみリアルver.13。
坂本が苦心に苦心を重ね、改良に改良を重ねたこの品は、もとは坂本の個人的な趣味から始まったものだった。以前にはその試作品を桂にプレゼントしたこともあり、桂の変装にもなんどか役立ったものだ。
が、嵩む開発費に鬼の形相となった陸奥を説き伏せるため、快援隊の新たな販路になるからと、半ば強引に、というかむしろ泣きついて、製品開発の了承を取り付けたという経緯がある。
ために坂本は、マーケティングを兼ねて、攘夷志士相手に密かに告知し予約を募った。と。申し込み開始五分で限定数が完売した。むろん、ものがものだけに、購入希望者の身元の確認はしっかりかっちり取ってある。
鬼兵隊の高杉や、党首に内緒のおんしの部下らも、こじゃんとおるんぜよ。金時にも用意しちゃるか。ありゃあ金は払えんろうが、なに、そこは昔馴染みの戦友のよしみだ。もっとも自前のしろふわを持っちゅうやつに、要らぬ世話かもしれんが。
だがまだ、きょう一日は。エリぐるみの恩恵に与るのは、坂本だけでいい。
目覚めたあとのお祝いプランにあれこれ思いを馳せるうち、坂本は愛しいものを抱いたまま愛しいものの夢を見た。
了 2008.06.05.
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急ぎ居を変えた隠れ家では夜具も調っておらず、今朝までのふかふかふとんというわけにはいかない。これはエリザベス代わりのわしの仕事やき、と坂本が、わずかばかり湿り気を感じさせる床(とこ)をていねいに延べた。
「けんど、ここまでちや」
云うなり坂本は、夜着一枚の桂を掬うように抱いて床に転がる。拍子にはだけたおのれの浴衣を、片手で脱ぎ捨てた。桂も夜着の帯を自ら解く。ひんやりとしたなめらかな素肌は、湿ったふとんを忘れさせるくらいに心地よかった。
「は……あ。ああ…」
桂の甘い吐息と微かな喘ぎが、坂本の耳を打つ。口許から首筋を辿り、鎖骨のくぼみを越えて、薄くしなやかな筋肉の乗った胸を、坂本の口唇と掌とが這い回る。小さな茱萸のような突起を甘噛みしては、舐り、吸いあげる。ふたつの実は瞬く間に紅く熟した。しっとり汗ばみはじめた雪肌は蕩けて、さながら花霞のように真白でも間近には桜に染まっている。湧き上がる情欲に耐えるかのように、桂が身を捩る。耐える必要など微塵もないのだと、わからせるために坂本は愛撫の手をやすめない。
口に押し当てられた桂の手の甲を空いているほうの手でやさしく包み込み、外させるように持ちあげたわずかな隙間から、口腔に手指を滑り込ませた。
「んん、あっ」
漏れでた息が鼻に抜け、塞ぐことを阻まれた口唇から声が上がった。さらに深く指を潜り込ませると、桂の舌が坂本の指先に触れ、指の腹にざらりとした触感を覚える。そのまま絡みつくように滑る舌先が手指を愛おしむ。
坂本の口の端に浮かんでいたやわらかな笑みが、わずかばかり変容した。おのれが余裕を失くしていくのがわかる。しゃぶらせるままにしておいて、坂本の口唇は桂の腹部の筋を辿って丸いくぼみをひと舐めし、もう片方の掌は背の貝殻骨を撫でて仙骨あたりまでを一気に下った。別々の径を辿った唇と掌が、合わさり、そのまま淡い翳りへと分け入る。刹那、桂が息を呑み、反射的に坂本の指を咬んだ。
口腔を浸していた手指をつかんで引き出し、桂は、噛み痕を癒すように舐める。血が滲むわけでもないようだったから、咄嗟の加減はできたのだろう。
「たつま」
うっとりと名を呼んで、坂本の濡れた指先を手放す。翳りに顔を埋めて、桂の兆しを煽ることに専心していた坂本は、放たれた手指を桂のうしろへと回して、翳りの奥の窄みを暴いた。
「いあっ」
数を増やしながら蹂躙していく坂本の手練手管に、桂の細い声が上がった。指先から指の付け根までを巧みに使って、丹念に押し開く。徐々に上がっていく桂の息が切羽詰まったようなせつなげな色を帯び、細くしなやかな長い指が坂本の癖毛に潜り込んで引き剥がそうともがいた。桂の昂ぶりを捕らえたまま放さなかった口唇がようやっと離れると、うっすらと眦に涙の滲んだ眸で、桂が坂本を睨めた。
つかんだ髪をきつく引っ張られ、そのうごきにつられるように躙り上がった坂本は、濡れた口唇で桂のそれを塞ぐ。塞ぎながら奥を穿っていた指で深く突いた。くぐもった声が隙間なく合わされた口唇から漏れる。桂の腰が揺らめいて、その先を強請(ねだ)った。銀糸を引いて離した口唇がまだ触れるかの距離のまま、坂本が桂の名を囁く。囁きは坂本の名に変わり鸚鵡返しに返された。引き抜いた手でそのまま桂の引き締まった腿を抱えて左右に割り開く。その狭間におのれの腰を押し込んで、坂本は桂の腰を擡げるようにして、ゆっくりと身を沈めた。
苦悶とも悦楽ともつかぬ声が桂の咽を押し上がるように漏れ出る。坂本はゆるゆると、だが着実に、最深部を目差して身を進める。先端が辿り着いたのを感じて、ようやく動きを止めた。桂が息を吐く。きつく閉ざされた瞼が少しだけゆるみ、寄せられていた眉根がわずかばかりなだらかさを取り戻す。呼気だけがまだせつなく苦しげで、坂本はそれが落ち着くのを待った。そのあいだにも根元まで締め上げてくる内壁の蠕動に、歯を食いしばって耐えるのもまた、桂を抱く醍醐味だ。
もっと桂を煽って、桂に煽られて、より深くつながり、より高処(たかみ)へとともに駆けあがりたい。閨での、常の坂本のよゆうっぷりも吹き飛ばしてしまえるくらいに、ときに桂は奔放になれる。それをどこまで引き出せるかは、抱く側の腕にかかっているのだ。
気息がやや落ち着き、桂のからだから無駄なちからが抜けたところ見計らって、坂本はうごきを再開した。
はあ、ぁん、あっ。あ、あ、あ。坂本の刻む律動に副うように、桂が啼く。やぁ。あ、たつま。たつま。たつま。譫言のように紡ぎだされるおのれの名。頑是ない子どもがするように首を振り、つったように反り返る足指が坂本の胴に絡みつく。剣を振るうには華奢に過ぎる腕は、だがしなやかに強靱なちからで茶色がかった黒い癖髪と張りつめた首筋とを掻き抱いた。細く長い桂の手指が爪を立てる。その痛みはやがて、無上の悦びをもたらすことを坂本は知っていた。
い。あ。ぃい。あ。たつ、ま。ぁあ。んぁ。いっそう深く浅く、つよくよわく、直進し拗り込み退いては掻き回す。意のままに桂を操る坂本のうごきは、たがいを忘我に追い込んでいく。女好きの女遊びを自負する坂本が、唯一自らを手放すほどの快楽を得られる瞬間が近づいてくる。桂だからだ。桂を愛おしいとおもうこころが、そうさせるのだということを、気づけぬほど坂本は愚かではなかった。だから手放せない。独り占めなどできずともかまわない。桂が坂本を希むかぎり、おのれはこの腕を差し出しつづけるだろう。
短い断続的な悲鳴が迸り、桂の背が激しく震えて撓った。引き摺られるように低く呻いた坂本は、幾度か腰を震わせ、やがて桂のうえに覆い被さるように脱力した。
「…ん…重い」
余韻の抜けた微かな抗議の声に、気づいて坂本はからだをずらした。桂のなかからおのが身を退いて傍らに寝ころび、たったいま離れたばかりのからだをまた、腕(かいな)に抱き寄せる。桂はされるがまま、その腕枕にあたまをあずける。投げ出された片腕が、ふとんと畳の境目を彷徨った。
近くにたたまれてあったエリぐるみに手を伸ばす。指の先がかろうじて引っ掛かり、それを頼りに引き寄せた。
「なんなが、こたろ?」
「…良くできたカワだな」
エリぐるみの端をつかんで、桂が頬擦りする。
「ほりゃあほりゃあ、気張ってこしらえたのやき」
「この七日間のためだけにか?」
ちらり、婀娜っぽい目線で睨めて、悪戯な笑みを浮かべた桂に、あっはっはーっ、と坂本は、とってつけたような笑いで誤魔化す。桂はそれ以上は追求せず、訪れた睡魔に重たくなった瞼を閉ざした。あるいは誤魔化されたふりをしてくれたのかもしれないが。
エリザベスが絡むと、というのか、白くてふわふわのものが絡むと、とたんに甘くなるのは桂の特性のようなものなのか。と、桂の幼げな寝顔と穏やかな寝息を間近にしながら、坂本はぼんやりと思う。だが、それよりさきに思考が進むまえに、やや遅れてやってきた睡魔に、その身を明け渡した。
目覚めてもまだ小太郎の誕生日やか。なにをして祝ってやろうかぇ。あとはただ、桂の歓ぶ顔が見たい。いま願うのはただそれだけだ。
明かせぬままのあとひとつの目的に、気づいてか気づかぬままにか、誤魔化されてくれた桂に。きっと最上のひとときを捧げよう。
* * *
おのれの失態がなければ、最終テストはほぼ成功しよったとゆうてかまんろう。
快援隊特製、エリぐるみリアルver.13。
坂本が苦心に苦心を重ね、改良に改良を重ねたこの品は、もとは坂本の個人的な趣味から始まったものだった。以前にはその試作品を桂にプレゼントしたこともあり、桂の変装にもなんどか役立ったものだ。
が、嵩む開発費に鬼の形相となった陸奥を説き伏せるため、快援隊の新たな販路になるからと、半ば強引に、というかむしろ泣きついて、製品開発の了承を取り付けたという経緯がある。
ために坂本は、マーケティングを兼ねて、攘夷志士相手に密かに告知し予約を募った。と。申し込み開始五分で限定数が完売した。むろん、ものがものだけに、購入希望者の身元の確認はしっかりかっちり取ってある。
鬼兵隊の高杉や、党首に内緒のおんしの部下らも、こじゃんとおるんぜよ。金時にも用意しちゃるか。ありゃあ金は払えんろうが、なに、そこは昔馴染みの戦友のよしみだ。もっとも自前のしろふわを持っちゅうやつに、要らぬ世話かもしれんが。
だがまだ、きょう一日は。エリぐるみの恩恵に与るのは、坂本だけでいい。
目覚めたあとのお祝いプランにあれこれ思いを馳せるうち、坂本は愛しいものを抱いたまま愛しいものの夢を見た。
了 2008.06.05.
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