2012年4月22日(日) 機/動/戦/士/ガ/ン/ダ/ム/00オンリーイベント
DOUBLE ATTACK 7 内にて開催される
刹那&ティエリアプチオンリーの
記念アンソロジー【Star★Line】に掌篇小説(八枚)を書きおろさせていただきました。
劇場版終幕の刹那とティエリア。ダブルオークアンタ帰還時のお話です。
お手に取ってごらんいただけるとうれしいです。
DA7はサークル不参加です。12月16日のDA8ではニルティエでお会いできますように!
つづきに冒頭一頁サンプル。
*開催日までトップ表示*
腕のなかの、紫紺のパイロットスーツに包まれた身をそっと横たえる。
割れたバイザーのなかで見開かれていた双眸を、掌で覆ってゆるやかに閉じさせた。
「すまないが、いまはトレミーに連れ帰ってやれない」
きりきりと胸が痛む。名状しがたい哀しみが込み上げた。
「………、…せつな。せつな」
「……ん」
「起きろ、刹那。そろそろ目標ポイントに到達する」
ダブルオークアンタのコクピットで、刹那はゆっくりと覚醒した。
「—————ああ」
開かれた櫨色の眸の視界を蔽う、紫黒の髪と深紅の双眸。もうずいぶんと慣れた近さだが、そのちいさな白磁のおもてが至近の距離で疑問符を浮かべている。
「…どうした、刹那」
「え…?」
ホロ映像の華奢なからだから腕が伸びて、頬に触れるようなしぐさをする。そうして刹那は初めて、自分が泣いていることに気づいた。
「…ああ、なんでもない。少し…夢を見ていた」
純粋種としての変革を成したからか、隻眼のロックオンの夢を見ることはなくなった。相前後するようにときおり夢に現れるようになったのは、ヴェーダ奪還を果たしたティエリア・アーデの最期の姿だ。
「だいじょうぶだ。問題ない」
訝しむ肩乗りサイズのティエリアに、刹那は目を擦って残夢を払うようにかるくあたまを振った。
続 2012.04.14.
〜『瞬きの間にひとは過ぎゆき』
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腕のなかの、紫紺のパイロットスーツに包まれた身をそっと横たえる。
割れたバイザーのなかで見開かれていた双眸を、掌で覆ってゆるやかに閉じさせた。
「すまないが、いまはトレミーに連れ帰ってやれない」
きりきりと胸が痛む。名状しがたい哀しみが込み上げた。
「………、…せつな。せつな」
「……ん」
「起きろ、刹那。そろそろ目標ポイントに到達する」
ダブルオークアンタのコクピットで、刹那はゆっくりと覚醒した。
「—————ああ」
開かれた櫨色の眸の視界を蔽う、紫黒の髪と深紅の双眸。もうずいぶんと慣れた近さだが、そのちいさな白磁のおもてが至近の距離で疑問符を浮かべている。
「…どうした、刹那」
「え…?」
ホロ映像の華奢なからだから腕が伸びて、頬に触れるようなしぐさをする。そうして刹那は初めて、自分が泣いていることに気づいた。
「…ああ、なんでもない。少し…夢を見ていた」
純粋種としての変革を成したからか、隻眼のロックオンの夢を見ることはなくなった。相前後するようにときおり夢に現れるようになったのは、ヴェーダ奪還を果たしたティエリア・アーデの最期の姿だ。
「だいじょうぶだ。問題ない」
訝しむ肩乗りサイズのティエリアに、刹那は目を擦って残夢を払うようにかるくあたまを振った。
続 2012.04.14.
〜『瞬きの間にひとは過ぎゆき』
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